組織と技能―技能伝承の組織論



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組織と技能―技能伝承の組織論
組織と技能―技能伝承の組織論

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技能をめぐる議論

本書は、「企業組織において『技能』がどのように形成さ
れるのか」(p.1)について論じるものである。
2部に分けられており、1部は先行研究レビューおよび分析
枠組みの提示を行なっている。2部は3つの異なる事例を扱
って分析枠組みの適用と本研究から得られた実用的な提案
がなされる。
事例として扱われた3つの職場は以下の通りである。
(1)鋳鉄管製造現場
(2)生協共同購入
(3)アパレル企業

著者が見出した実用的知見は、ナレッジ・マネジメントの中
で語られる「形式知化」とは一線を画したものである。著者
は、当該職場における技能を分類し、その分類に的確な技能
形成の道筋をあてはめていく方法を提示する。
「形式知」が汎用的・脱状況的な側面をもつのに対して、こ
こでの提案は、そもそも「個別状況」と「学習(技能形成)」
は分けることができないという考えにもとづく。そのため、
技能そのものを脱文脈化する方法ではなく、技能の形成の道
筋自体を整える方法(技能の性質と効果的な形成の道筋との
対応関係の追及)をとっている。

本書で扱われた個別の事例は、本書の意図から離れても、モノ
グラフとしての価値がある。例えば生協や製造業、アパレル業
界を調査対象にと考えている経営学および社会学の調査者に
とって有用であるだろう。

ただ、本書の副題は「技能伝承の組織論」となっているが、
「組織論」的なまとめが弱かったように感じる。



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